こんにちは!パプリカミュージックスクール、ギター講師の満田です!
今回はジャズ的なアドリブ能力を鍛えたい方のための実践的ドリアンスケール学習がテーマです!目標はマイナーコードとドリアンスケールがセットで認識できるようになること!
ドリアンスケールとはジャズのアドリブにおいて非常によく使うスケール(=音階)なので、アドリブ演奏に取り組みたい場合は必修の内容と言えるでしょう。そんなドリアンスケールを用いたフレーズ展開を、より実践的な形で身に付けられる練習方法のご紹介となります。
用いる題材はスタンダード含めジャズナンバーで非常によく使われるCマイナーブルース進行!ブルース進行はロックを演奏されている方にも比較的馴染みのある形式だと思います!TAB譜有りの譜面付きで解説した動画がありますので、まずはそちらをご覧ください!
定番進行「Cマイナーブルース」で覚えるドリアンスケール
譜面はこちら↓
Cマイナーブルース コード進行 TAB譜 Cドリアンスケール TAB譜 Fドリアンスケール TAB譜動画のおさらい
・Cmブルース進行を覚えよう!
・ドリアンスケールを覚えよう!
・Cmブルースのコード進行を弾きながらフレーズを入れてみよう!
・Cm7の時はCドリアン、Fm7の時はFドリアンと弾き分けよう!
・A♭7とG7は複雑だからコードをバッキングとして弾けばOK!
内容を簡単にまとめるとこんな感じです!
取り組み方としては、一人でバッキング(伴奏)とソロを同時に弾く一人セッションといった感じです。いきなりやるのは難しいと思いますので、まず手始めにコード進行を覚えて伴奏するように弾いてみましょう。コード進行が自然と弾けるようになったら、スケールを使ってフレーズを混ぜながら弾けば一人セッションの始まりです!
練習の目的
より実践的なアドリブ演奏を見据えてコードとスケールを関連付けて見る感覚を身に付けることです。ジャズはコードのキャラクターを重視したアドリブのスタイルを取るので、「Cm7の時にはCドリアンスケールを、Fm7の時にはFドリアンスケールを……」といった具合にコードに適応したスケールを選んでフレーズ構築ができる能力を鍛えることを狙っています。また、副次的ではありますが、ひとりでグルーヴを考えることによりリズム感を鍛える効果も含んでいます。音選びについては理論的には色々ありますが、理論は後付けした方が身に付きやすいので、ひとまずはスケールノート(音階の構成音)を使って適当にアドリブっぽいことをするところから始めるのが良いかと思います。
とはいえ最初のうちは「Cm7だからCドリアンで、ポジションは、えっと……💦」というような感じでスムーズに弾くのも難しいと思いますので、そこをクリアするためのコツをまとめてみました!
POINT 1:使うポジションは事前に確認しておく
弾き始める前にコードのポジションとスケールのポジションをしっかり確認しておきましょう。実際のアドリブ演奏においても言えることですが、”弾きながら考える”ではなく”弾く前に一旦考えて整理してから弾く“という認識がポイントです。
また、コードに比べてスケールの方はポジションが多くて大変だと思いますが、最初から全て使おうとせずに、意識するポジションを限定してしまうのがオススメです。例えば
「今回は1弦と2弦だけ使おう!」
→「次は3弦と4弦だけ使ってみよう!」
→「よし、次は5弦と6弦!」
→「慣れてきたから試しに全部弾いてみよう!」
というように段階的に分解して覚えていくのが簡単且つ効率的です。
POINT 2:音数は徐々に増やしていく
ひとつひとつ確実に音を把握するためにも、まずは少ない音数から初めてみましょう。1小節にコード+1音くらいでも良いです!最初から色々と音を詰め込むと、指が追い付かなかったりフレーズが頭に入らなかったりしますからね。慣れてくれば自然と音数は増えてきますので、焦らないことが大切です。
POINT 3:コードのルートを常に意識する
コードのルート、そして弾いているフレーズ、その両者の距離感を物理的且つ視覚的に覚えることもギターにおけるアドリブ能力習得の大切な要素になります。ソロギタースタイルの場合、都度コードを弾くので自然と位置関係把握の練習にもなるんですね。
後々コードトーンやテンションの度数といった理論的な概念を覚える際にも距離感は役に立つ感覚なので是非覚えてしまいましょう!
POINT 4:あとはとにかく回数をこなす!
この手の基礎練習はとにかく反復練習!といった部分も強いです。ギターという楽器は形で覚えやすい楽器なので、数をこなして手に馴染ませてしまいましょう!今回取り上げているCmブルースは1周12小節と非常にミニマムな構成になっているので、好きなだけ繰り返して練習しやすいのも利点です。
もう少し踏み込んだ解説
⚠️音楽理論的に掘り下げた内容が出てきます!
コードフォーム
今回コード進行の紹介で使った省略形のコードですが、
5弦ルートで弾いた時はR(ルート), m3, m7の3和音でマイナーコード(◯m7)、
6弦ルートで弾いた時はR, M3, m7の3和音でセブンスコード(◯7)
になるので、マイナーブルース進行を弾くのに丁度良いフォームなんですね。
5弦ルート – Cm7
6弦ルート – G7
押弦している弦以外は全てミュートするフォームです。非常にジャズにマッチした響きで、マイナーブルース以外の進行でも使いやすいコードフォームなので是非この機会に覚えてみましょう!
ドリアンスケール
冒頭でも申し上げた通り、このスケールはジャズにおいては非常によく意識するスケールなので是非覚えてしまいたいところです。実践的にはIIm7やVIm7といったマイナーコード上での使用が多い音階です。
さて、動画やポイント解説では触れませんでしたが、コードとスケールの関係についても触れてみましょう。構成音を度数で表記してみます。
マイナーセブンス:R・m3・p5・m7
ドリアンスケール:R・9th・m3・11th・p5・13th・m7
具体的にCをルートで書いてみると……
Cm7:C・E♭・G・B♭
C Dorian:C・D・E♭・F・G・A♭・B♭
該当箇所を太字で表示してみましたがコードの構成音が全て含まれているのが分かると思います。これはつまりどういうことなのかというと、ドリアンスケールはm7(マイナーセブンス)のコードトーン+9,11,13のテンションノートで構成されているということなんですね。即ち……
C Dorian =【C・E♭・G・B♭】+【D・F・A♭】
という認識が理論的には正解に近い形です。ドリアンに限らず全てのスケールはコード+テンションで解釈できるので、この分解の仕方は知っておくと非常に役に立ちます。すぐに身に付ける必要があるものでもないですが、アドリブの熟練度が上がるにつれてフレーズ構築は自然とコードトーン主体の意識となっていくので、そうなったタイミングでこの捉え方を思い出してみてください!
リズム / グルーヴの作り方
オススメは頭の中にベーシストとドラマーを思い描いてバンドでやっているイメージを作ることです。ベースやドラムがどんなリズムを作っているかを想定し、そこにギターがどう合わせるかを考えて弾くということですね。
このイメージを作るために最も大切なのはとにかくジャズを聴くことです!ジャズの音源を色々聴いてみて、気に入った演奏を元にバンドのイメージを作る練習をしましょう。イメージトレーニングというやつですね!特にYouTube等で映像も含めて観ることができると、よりバンドのイメージが強くなって良い効果があるのではないかと思います。
まとめ
以上、マイナーブルースで覚えるドリアンスケールでした。要点をまとめると……
・マイナーブルース進行を覚える!
・ドリアンスケールを把握する!
・マイナーブルース進行を弾きながら合間にドリアンスケールを弾く!
・コードに対して適応するドリアンスケールを選んで切り替える意識をする!
・理論的な理解は後回しでOK!
といった練習内容でした。第一線で活躍するプレイヤーの中にもドリアンスケールの応用だけでフレーズ構築論を確立されている方もいらっしゃるほど、ジャズにおいて習得の意義が非常に大きいスケールなので是非覚えてみてください!記事終盤で解説したような音楽理論的な理解は後からでも十分追い付くので、まずは指板上での形による理解と響きによるドリアンスケールの感覚を養うのが大切です。
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