【小ネタシリーズ】Pat Metheny(パット・メセニー)流アコースティックギターバッキングアイディア

こんにちは！パプリカミュージックスクール、ジャズギター講師の満田です！
パパッと解説シリーズ！今回は恐れ多くも御大Pat Metheny(パット・メセニー)氏がアコースティックギターでよく行うバッキングアプローチをご紹介してみようと思います。……パパッとパット・メセニー解説。どんな曲でも使える演奏方法ではないのですが、シンプルなアイディアでハマる時は非常に格好良く決まるので是非覚えてみてください！

では、解説に移ります！
まずは演奏サンプルとなる動画をご覧ください！

まずは要点をまとめると

• 1弦と2弦の開放弦を常に弾く
• 使うキーは基本的にEメジャー or Eマイナー
• ストロークの音数は多い方が格好良い！

以上の3点です。順に解説していきます。
このメセニー流バッキングアプローチ最大のコンセプトは”1弦と2弦の開放弦を常に弾く“ということです。つまり曲中全てのコードを1,2弦の開放弦を混ぜたヴォイシングに変化させるということですね。奏法としては単純明快！
しかしながら、これはどんな時でも使える訳ではありません。使える条件はEとBの音がトニックコード(=主役のコード)に含まれているキーであること。即ちEメジャーキーとEマイナーキーです。一応解説するとEメジャーコードの構成音はE,G#,B、EmコードはE,G,Bとなるので条件を満たしております。一応その他でも使えるパターンはあるのですが、少し複雑になるのでひとまずはEメジャー or Eマイナーのキーで使えると覚えておけばOK！(他のパターンは後述します。)

弾き方はとにかくずっとストローク！基本的には1.5拍区切りでアクセントを置き、コードチェンジ前に余った拍の帳尻合わせをするイメージですが、曲のグルーヴに合わせて柔軟に調整しましょう。爪弾いたりゆったりとしたストロークでも使えなくはない奏法ですが、とにかく弾きまくることで迫力が出ます。スリリングなサウンドを目指してガンガン弾きまくりましょう！

もう一度まとめると、「EメジャーかEマイナーのキーで、全てのコードを1,2弦開放で弾きまくる！」ということです。音色的にはスチール弦のアコースティックギターが一番格好良くハマりますが、メセニー氏本人はフルアコに仕込んだピエゾピックアップを使って行うことも多いですね。個人的にはテレキャスターやストラトキャスターのミックスポジションでボリュームを絞ってやるのも結構好きです。シンプルな奏法なので是非色々試してみてください！

※少々音楽理論が絡む話になります。

前述のE主調の他、それらの平行調とA主調のキー及び平行調でも比較的自然に使うことができます。

• E主調……Eメジャー、Eマイナー
  • 平行調……C#マイナー、Gメジャー
• A主調……Aメジャー、Aマイナー
  • 平行調……F#マイナー、Cメジャー

上記のキーでも使えますが、サウンドの緊張感が更に強くなるので元となるコード進行の特色を消してしまわないか注意が必要です。部分的に使ってみるのが無難かもしれませんね！

また、本来使えないキーの楽曲をE主調のキーに移調してしまうという方法も大有りなので、練習がてら試してみるのも面白いのではないでしょうか！

御大ジム・ホール(Jim Hall)氏とのギターデュオによるジャズスタンダードナンバー『Summertime』の演奏です。定番のAmキーではなくEmキーに移調しての演奏になりますね。冒頭の動画はこの音源のメセニー氏のバッキングパートを簡易的に真似たものですが、元ネタであるこの音源はアーティキュレーションがエグいですねｗ 対するジム・ホール氏のリードプレイも流石の一言！音遣いは比較的素直ながらも、独特の音色と絞り込まれた音数で作り上げられたダークな雰囲気がメセニー氏のバッキングと呼応してスリルたっぷりな演奏に仕上がっています。もうちょっと長い尺でソロを聴きたいところですが、このあっさりと切り上げる感じもホール氏らしいです。
因みに、今回取り上げたストロークの連続と左手のコードワークでバッキングしていく手法はジム・ホール氏もよく好んで使ったスタイルです。ホール氏の場合はコードごとウォーキングしていくそれまた凄まじいものですが、そちらはまた機会があればご紹介致します！

パット・メセニー氏を初めとしたフュージョン、コンテンポラリー・ジャズ等のより近代的なサウンドのジャズも勿論取り扱っております。「ビバップみたいなジャズの基礎アプローチは分かったんだけど、最近のジャズって何やってるの？？」という方は是非ご相談ください！まずは無料体験レッスンからどうぞ！

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ギター講師 満田